ダイバーシティ・マネジメント 研修 (セミナー)

2010年8月27日(金)、日本一暑いといわれる岐阜県多治見市にて「ダイバーシティ・マネージメント」をテーマにした講義、およびワークショップのファシリテーターとして行ってまいりました。

これは、岐阜県・岐阜県工業会が主催する、次世代技術経営者育成を目的とした少数精鋭・合宿型の研修で、「賢材塾」とよばれています。
技術のわかる経営者、経営のわかる技術者を育成する講座。

同講座のコーディネーターでいらっしゃる情報文明文化研究所の角行之氏がおっしゃるには、講座のコアとなっているテーマは「コンピタンス」。これがなければ生き残れない、とおっしゃることには非常に説得力があります。

今年で第6回を迎える人気の講座だそうです。

「賢材塾」の全体プログラムは、こちらのサイトから見ることができます。

同塾に参加されている方々は、IT業界、製造業界、医療、金融と多種多様でしたが、さまざまな視点から多様性のある人材をどう活用するのかという「ダイバーシティ・マネジメント」のテーマにとりくみました。

外国人、女性、高齢者、若者、障がい者。こうした多種多様な能力を持つ人材をうまく取り込み、真に活用していくことが次世代リーダーには必要となってきています。

このため、

講座の構成としては、
1)ダイバーシティ・マネジメントとは何か
2)なぜ日本で必要となっているのか
3)どのようにダイバーシティ・マネジメントを推進したらよいかの3部構成としました。

2)なぜ必要となっているのか、という部分を実感をもって考えていただきたいと思い、
ダイバーシティ・マネジメントが必要となってきている時代的背景の分析を自社のおかれている環境と比較して、分析してもらいました。

また、そうしたトリガー(引き金)に対して、どのようなレベルで会社が対応しているのか、というのを12事象の中から、現在の自社の取り組み、今後どのような方向で取り組んでいくべきかを選び、「見える化」する作業も行います。

後半では、ダイバーシティ・マネジメントの推進に失敗した事例と成功している事例とを対比し、失敗事例の改革案を立案してもらうというグループワークに挑戦していただきました。

アウトプットとして各グループにお願いしたのは、成功事例の取り組み内容の分析、および失敗事例の改善事例の立案の2つ。

時間に限りがあったため、みなさん、時間におわれながらも一生懸命にアウトプットを出してくださいました。

なお、成功事例としては、INAX社とニフコ社を取り上げました。

また、高齢者活用としては、昭芝製作所、障がい者活用としては日本理化学工業をケースとして、これは時間がないため、参考資料として配布しました。

技術者向けの研修ということで、「外国人の活用」は身近であっても、「女性の活用」はまだ身近なテーマではなかったかもしれません。

高齢者から若者世代への技術伝承という課題、つまり「技術は目で盗むものだ。就業時間が終わっても研修内容が終わるまで続けるものだ」というシニア層と、「1を聞いて1しか学ばない、ワークよりライフが大切な若者」といった、価値観が異なる両者のマネジメントというテーマのほうが差し迫った課題を感じている企業の方もいらっしゃいました。